教育支援情報システム総論(〜2010)

【授業の主題と内容】

本講義では、情報通信技術(ICT)と教育との関わりについて,とくにeラーニング(Webを用いた教育・学習プログラム)の観点から学びます.

近年、eラーニングは多くの人に新たな学習機会を提供するようになり、知識社会において人々が学び続けるための革新的なサービスとして注目をされています。

しかし、eラーニングを利用して効果的な教育・学習支援を実現するためには、情報基盤やコンテンツを開発・整備するだけでなく、学習理論に基づいて学習プログラムを設計したり、学習内容に応じて適切な情報伝達の仕方を選択したり、独学する学習者を適切に支援していく運用上の仕組みを考慮して、場合によっては学習プログラムの中に対面での集合研修を組み入れるなど、トータルなシステムをデザインする必要があります。

本講義では、こうしたeラーニングによる教育プログラムのデザインのあり方やその実際について学習をしていきます。本講義では、教育や学習を支援するシステムの具体的事例を学ぶことを通して、各種システムの設計や機能が、どのように教育・学習を支援しているのか、またその背後にある学習観を学びます。

【学習・教育目標】

  • e ラーニングのメリットとデメリットについて、体験的に理解します。
  • e ラーニングの社会における活用について、その実際を学びます。
  • eラーニングを用いた教育プログラムをデザインしていく方法論としての、インストラクショナルデザインを学びます。

これら学習した知識を用いながら、グループ・ワークを通して、eラーニングを利用した教育プログラムの企画を体験的に行っていきます。授業で学んだ知識や、関連する書籍の知識を適宜上手に活用して、想定される学習者や学習目標に対して効果的な教育プログラムを企画し、その提案を行うことが求められます。

この授業では、「専修大学に入学する前の学生が,大学生として知っておくべきことを学ぶためのeラーニングコース」を企画します。可能であればコースの一部を開発して,皆さんや大学職員の方とともに相互評価をしていきます。

なお、さまざまな教育支援システムを体験するために、授業場所を頻繁に変更しますので、シラバスの他、Renandiやポータルの掲示に注意してください。

遅刻に対しては、過年度履修者から学習の阻害になるという意見を多くいただきました。15分以上の遅刻は欠席と同等に扱います。また、発表担当時の遅刻は15分未満でも欠席と同等に扱います。

【授業計画】

履修希望票の記入状況などにより、一部内容を変更することがあります。

日時 内容 提出物等
4/15 オリエンテーション 

  • 履修希望票の記入
  • 授業の進め方、評価についての説明をします。
  • 授業のテーマであるeラーニングについて、概論を説明します。

【配布物】シラバス/履修希望票/リフレクションシート

全員
履修希望票
リフレクションシート(以後、毎回)
4/22 初等中等教育・大学教育・企業内教育とeラーニング 

  • 初等中等教育・大学教育・企業内教育でeラーニングはどのようなものが開発され、どのように学ばれているのか,いくつかの具体例をもとに学習します.
  • eラーニングの特徴(メリット・デメリット)を整理します。
4/29 (講義は、ありません)
【課題1】eラーニングによる学びを体験しよう
 

  • 無料のeラーニングコンテンツを受講してみて、学習体験を振り返り、学習上のメリットと問題点を整理する課題です。資料を作成し、5月6日に発表します。
5/6 eラーニングを使った学びの体験を共有しよう
 

  • 無料のeラーニングコンテンツを受講してみて、学習体験を振り返り、学習上のメリットと問題点を整理する課題を、特別研修週間中に行います。
  • そこで体験・省察したeラーニング教材はどのようなものだったのか、それを見てどのような利点と問題点を考えたのかを、小グループでプレゼンテーションします。
  • その後、お互いの発表を踏まえたディスカッションを行い、eラーニングコースの設計・開発で気をつけるべき点を洗い出します。
全員
発表資料
(PPT等を印刷)
2部
5/13 eラーニングコンテンツ開発の実際(ゲスト講演)
 

  • 企業内教育向けコンテンツ開発に携わられた方をお招きし、どのような開発の工夫、苦労が合ったのかということについて学習します。
5/20 eラーニングコースを提案しよう:ニーズ分析(教科書第1章) 

  • この授業では「専修大学に入学する前の学生が、大学生として知っておくべきことを学ぶためのeラーニングコース」を企画します。
  • 大学の高校・大学連携事業を運営し、専修大学OBでもある学長室企画課の方のお話も参考にしつつ、どのようなコース(教材)を提案するのかをディスカッションで考えます。
全グループ
5/27までに、ニーズ分析
提案教材のコンセプトを決定
5/27 学習目標を分析し,行動目標を詳細に書きだそう(教科書第3章) 

  • 対象となる学習者(大学に合格したばかりの18〜20歳くらいの若者)がどのような事前知識を持ち、どのようなことを知っている/できる学生になって欲しいのかを、できる限り詳しく決めることが大切です.ここでは、具体的な学習目標や行動目標を策定します.
全グループ
6/3まで、学習目標詳細化
ワークシート
6/3
テストを作ってみよう
(教科書第4章) 

  • 学習目標の詳細化が終わったら、事前テストと事後テストの作成をして、コースが責任を持つ内容・範囲を確定します。
  • ここでは、テストの作成にあたって必要なことを学習して、教材をしっかり設計する上では欠かせません。そこで、テストの作り方を学ぶとともに、実際に事前テストと事後テストを作ってみます。
6/10 中間発表会
 

  • この日までにまとまった教材提案の企画について、ポスター発表を行い、相互評価をします。
  • 教室変更を予定しています。
6/17 課題分析をしよう(教科書第5章) 

  • 学習目標の詳細化、テストの作成が終わったら、何を学べば行動目標が達成できるかを、課題分析をして明らかにします。
全グループ
6/24までに課題分析
ワークシート
6/24 教え方・学ばせ方の戦略を立てよう:ID理論の活用(教科書第6章) 

  • 魅力的な教育プログラムを創るための原則論として、Gagnéの9教授事象、Merrillの5つ星のインストラクション、KellerのARCSモデルを学びます。
  • その後、教材をより魅力的にするために、実際にどういう工夫をするかを考えます。
7/1 担当者海外出張のため休講
7/8 ICTをどのように活用するか考えよう
 

  • 学習をより効果的にするためのメディア利用について考えます。
7/15 最終発表会/本講義のまとめ
 

  • 作成した教材企画書をポスター発表します。
  • また、それに基づいて、本講義で学んだことについてふりかえります。
7/21 (講義は、ありません) 全グループ
教材企画書
全員
最終レポート+
授業改善案

【成績評価の方法と基準、課題提出日と方法】

5回以上欠席した場合、理由の如何を問わず(伝染病感染を含む)、成績評価の対象としません

  1. eラーニング体験レポート(プレゼンテーション・レジュメ)(15%)
  2. グループ企画書(30%)→7/21 24:00までに、RENANDIに提出
    以下の項目が評価軸になります 

    • 授業で学んだことが適切に利用されているか
    • 企画書を見て、プログラムの内容を具体的にイメージできるか
    • 想定される有効性、インパクトが明瞭に記載されており、合理的なものか
    • メンバーの貢献(役割分担、理論や内容への貢献を明記する)

    * なお,一部分でもコース開発を行ったグループには+αの加点をします

  3. 学期末レポート(25%)A4で3ページ程度
    →7/21 24:00までに、RENANDIに提出 

    • 企画書に対する自己評価
    • 他グループの企画書で特に参考になるものを1つ挙げ、その理由と自分の考えを述べる。
  4. 出席(20%)ミニッツペーパーによる。内容を評価します。
  5. 授業改善案レポート(10%)A4で600〜800文字程度
    →7/21 24:00までに、RENANDIに提出 

    • 建設的な授業改善案であるかどうか
    • 授業で学んだことを活かしているか
  • 授業への貢献となる質問・発言、プレゼンテーションについては,成績に加味します(+α).
  • 教育実習など公欠と認められる範囲の欠席は,それ以外の時間帯にグループワークに貢献したことを証明できることを条件として、当該期間を公欠として扱います。

【教科書・参考書など】