教育支援情報システム総論(2011〜)

【授業の主題と内容】

テーマ「学習環境のイノベーション」

本講義は、近年格段に変化を見せる教育・学習のあり方と、革新が進むさまざまなメディアの関係を議論する授業です。

近年,高等教育,企業内教育,初等中等教育など様々な場面で,eラーニング(Web-based Training等)が実用化されてきています.eラーニングは多くの人に新たな学習機会を提供し,知識社会において人々が学び続けるための革新的なサービスとして注目をされてきました.しかしeラーニングは単に教育機関がコンテンツを受講者に配信するためだけのものではなくなりつつあります。たとえば一人一人が自律的に学び合うメディアとしてソーシャルメディアが出てきていますし、情報発信も非常に容易になってきました。

この講義では、(1) これまでのメディアを活用した学習は、どのように人間の学習にイノベーションを起こしてきたのか、(2) eラーニングの新しい活用法は、人間の学習の場と、教育機関のあり方にイノベーションをどのように起こしていくのか、(3) いわゆるモバイルデバイスやソーシャルメディアなどの新しい登場により学習のあり方にどのようにイノベーションが起こるのか、といったことについて事例を報告し合い、体験し、それをもとに議論をして考えていきます。

【学習・教育目標】

  • 日進月歩の学習支援メディアの事情について理解する。
  • eラーニングや教育コンテンツを提供する上で考慮するべきことや限界、学習者支援方法について理解しつつ、その可能性について考究できるようになる。

【履修上の注意】

この授業では、履修者ひとりひとりの学びが定着するように、皆さん自身が皆さんのために学ぶ構成をとっています。すなわち、受講者の皆さんの事前学習と、担当ナビゲータによる発表をもとに、討論をするという形式です(もともと「・・・論」という授業は、そういう意味合いのものです)。したがって、皆さんの発表の内容、および質疑応答の真剣さによって、皆さんが学ぶ内容や質が左右されます。その意味では、きわめてハイリスクの授業です。

この科目は選択科目ですから、以下の点を十分に踏まえて履修してください。

  • あなたは、自分自身の学習に責任があります。この科目から何か役に立ち、また、おもしろいものを得るのは、あなた次第です。
  • あなたは、この授業を履修している他の学生の皆さんの学びについても、同様の責任を負っています。他の皆さんがこの科目から何か有益でおもしろいことを学ぶことを確かにするのは、あなた次第です。

担当講師は、この授業に参加しようとする皆さんが、ともに学び、ともに真剣に考えたいと願っていることを信じて、授業を進めていきます。

プレゼンテーションや教室全体への発言、ディスカッションの機会を多く設ける学生主体型の授業を構成しますから、受動的な態度での参加は他の受講者に大変迷惑となりますので、はじめから履修登録をご遠慮ください。

最新事情について学ぶため、英語の文献や映像等を視聴することがあります(ときにその視聴が課題として課されることがあります)。英語が全くできない、あるいは克服するつもりがない、という学生の受講はご遠慮ください(これから頑張って苦手を克服しようと思う人は歓迎です)。

【授業計画】

履修希望票の記入状況などにより、一部内容を変更することがあります。

日時 内容 提出物等
4/26 オリエンテーション・この科目の概観

  • 履修希望票の記入
  • 授業の進め方、評価についての説明をします。

【配布物】シラバス/履修希望票/リフレクションシート

全員
履修希望票
リフレクションシート(以後、毎回)
5/10 初等中等教育・大学教育・企業内教育とeラーニング

  • 初等中等教育・大学教育・企業内教育でeラーニングはどのようなものが開発され、どのように学ばれているのか,いくつかの具体例をもとに学習します.
  • eラーニングの特徴(メリット・デメリット)を整理します。
【課題1】eラーニングによる学びを体験しよう

  • 無料のeラーニングコンテンツを受講してみて、学習体験を振り返り、学習上のメリットと問題点を整理する課題です。資料を作成し、5月17日に発表します。
5/17 eラーニングを使った学びの体験を共有しよう

  • Webにある無料のeラーニングコンテンツで学習してみて、学習体験を振り返り、学習上のメリットと問題点を整理します。
全員
発表資料
(PPT等を印刷)
2部
5/24 大学におけるeラーニングの実際(ゲスト講演)

  • 大学でもeラーニングの活用が進みつつあります。早稲田大学人間科学部ではeスクールという仕組みがあります。そのシステムはどのようになっているのか、また授業実施上の工夫や問題について学びます。
5/31 テーマa: OpenCourseWareがもたらす大学教育のオープン化

  • 大学の授業をオープンにして、無料で公開しようという取り組みが始まっています。その意義についてや、普及上の問題について議論します。
全員
事前予習課題
6/2〜4 【学外実習】NEW Education EXPO の見学

  • 同時にMicrosoft Innovative Teacher Daysが開催されます。教育とITのイノベーションに関する展示会を見学します。
6/7 テーマb: ネットワークやメディアを活用した外国語学習

  • コンピュータを使って外国語学習を支援する取り組みが広がっています。ネットワークサービスの革新による外国語学習環境の変化について学びます。
全員
事前予習課題
6/14 テーマc: 社会教育施設でのメディアの活用

  • 最近では、博物館や美術館でもICTを活用した学習支援が行われています。その事例を学び、学習支援の意義について考えていきます。
全員

事前予習課題

6/21 テーマd: デジタルストーリーテリング

  • 近年デジタルストーリーテリングという分野が欧米で広まってきています。その教育的意味について考えていきます。
全員
事前予習課題
6/28 担当者海外出張のため休講
7/5 テーマe: デジタル教科書の可能性

  • 電子黒板、iPadやTablet PCが普及し始め、デジタル教科書が注目を浴びています。デジタル教科書とはどのようなものなのか、学習にどのように役立ちそうなのかを検討します。
全員
事前予習課題
7/12 テーマf: 知識表象と操作のための学習メディア

  • 教科書やノートのデジタル化によって、学んだ知識を操作しながら、協調的に学ぶ学習機会を作ることができます。そのソフトウェアを体験しながら、新しい知識を構築する意味を考えます。
全員

事前予習課題

7/19 テーマg:学習プラットフォームとしてのソーシャルメディアの可能性

  • UstreamやTwitter、SNSなどのソーシャルメディアが普及してきています。それが学習をどのように支えるのかを検討します。
全員

事前予習課題

7/26 【スペシャル講義】デジタル教科書やICT活用の可能性

  • 小学校の先生に、具体的にデジタル教科書やICTはどのように役立つのか、授業でのICT活用はどのような意味があるのかについてお話ししていただきます。
8/2 本講義のまとめ

  • この授業を通して学んだことを整理し、テークホーム試験を発表します。
  • また、オリジナル授業評価を行います。

【成績評価の方法と基準、課題提出日と方法】

5回以上欠席した場合、理由の如何を問わず(伝染病感染を含む)、成績評価の対象としません

※体育会の試合や教育実習で欠席する場合、欠席分の追加レポートを提出した場合に限り公欠として扱います。

  1. 各テーマでの準備レポート(3回・5回・7回-12回、7テーマ×5点)35%
  2. 発表および指定討論 15%
  3. テークホーム試験、または、New Education Expoの見学レポート(30%)
  4. 授業改善案レポート(10%)A4で600〜800文字程度
    →8/2 24:00までに、RENANDIに提出
  5. 平常点 10%
    →7/21 24:00までに、RENANDIに提出

【その他の注意】

  • さまざまな教育支援システムを体験するために、授業場所を頻繁に変更しますので、シラバスの他、Renandiやポータルの掲示に注意してください。
  • 2時限目の授業に出るために朝起きられない方は、この授業への参加には向いていませんので、よく熟考した上で履修してください。遅刻に対しては、過年度履修者から学習の阻害になるという意見を多くいただきました。15分以上の遅刻は欠席と同等に扱います。電車の遅延であっても遅刻は遅刻です(社会人になったら当たり前)。また、発表担当時の遅刻は15分未満でも欠席と同等に扱います。
  • スカイプ(Webカメラ含む)など、学習に必要な設備は自分で購入・導入すること。
  • twitterハッシュタグ(#ne_et)授業中・時間外のtweetを歓迎します。

【参考書など】

  • 中村伊知哉・石戸奈々子(著)「デジタル教科書革命」ソフトバンクパブリッシング
  • 山内祐平(編)「デジタル教材の教育学」東京大学出版会