【授業の目的・内容】
教育実習は、教職課程を集大成する活動です。教育活動が営まれる学校現場に参加し、教育技術だけでなく、様々な学校教育活動に関わることで、職業人としての教師のあり方を実践的に学習していきます。この授業は、3年生の事前準備と、4年生の事後のふりかえりを行うことが目的です。
この授業は、3年生の「教育実習I」と、4年生の「教育実習III」を合併して開講します。
3年生は、次年度に実施される教育実習を念頭に置き、まず「教育実習」の実際について、4年生の実習体験をもとにして学びます。この過程において、教育実習のイメージと心構えを作っていきます。その後、主として学習指導案をもとにした授業シミュレーションと、マイクロティーチングを通じて、授業における指導(とくに発問や授業展開)の方法や技術の習得を目指します。
4年生は、主に教育実習の経験を振り返り、実習内容の整理と反省を行うことが目的となります。研究授業における授業設計や教授技能、実習校において学んだ教員という職業のあり方を振り返るために、教育実習II(2010年前期開講)ではティーチングポートフォリオを作成しました。その過程で行った分析をもとに、授業のリデザインを行い、模擬授業を実施します。また、3年生の模擬授業に対して助言や指導を行う活動を通して、教授技能に関する振り返りと定着を目指します。
【履修にあたって】
本授業は、3年生と4年生の協同的な学習によって行われます。
3年生は先輩から積極的に学ぶとする姿勢が、4年生は後輩の学習を助けつつ、そこから自らも積極的に学習する姿勢が求められます。この点を事前に良く理解し覚悟しないと、後で不平不満に陥る危険性があります。同時履修者の「やる気」によって大きく左右されるハイリスクの授業です。
授業外課題(宿題)の遂行は受講の大前提です。徹底的に充実した学習指導案や模擬授業を追究するために授業時間が定時に終了しないことも多々ありますから、6時限目は必ず空けておくこと。
また、意見交換には主体的・積極的・建設的に取り組んでください。これは、今後の教育実習の授業や現場実習において、非常に重要なことです。とくに、次のことに気をつけること。
- 相手を批判するだけでなく、建設的な意見(どうすればよりよくなるか)を提示する
- 相手の問題だと思うことについては、忌憚なく指摘すること(真摯な議論をする)
- 相手の言うことには耳を傾け、自分のことについて見つめ直す心の広さを持つこと
(自分の指導法に関して見つめ直し、修正していこうとする態度が不可欠です。
指導や助言をもらっても、それを受容できない人は、この資格の取得には向きません)
なお、本授業には、元学校教師の先生が、みなさんのために参加してくださいます。大変貴重な機会ですから、ぜひ積極的に準備を行い、有意義な時間にするようにしてください。
【授業計画】
★マークの回は、964教室。※印は、未定(履修者の状況で変更)。
回 | 日時 | 内 容 |
1 | 9/22 | オリエンテーション
【配布物】
【提出物】
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2 | 9/29 | 教育実習について学ぶ/教育実習について振り返る(1)
【持参物】III履修者:発表用資料(パワーポイントなど) |
3 | 10/6 | 教育実習について学ぶ/教育実習について振り返る(2)
【持参物】
【提出物】
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4 | 10/13 | 模擬授業とその協議を通して授業のあり方を考える
【持参物】
【提出物】
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5 ★ |
10/20 | 授業の展開について検討する(1)
【持参物】
【配布物】
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6
★ |
10/27 | 授業の展開について検討する(2)
【持参物】
【配布物】
【提出物】
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— | 11/3 | 文化の日のため休講
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7
★ |
11/10 | 修正指導案を作成する
【提出物】全員:修正指導案(β版)→11/16 24時Renandi課題ページ提出 |
8 | 11/17 | 指導案の相互アドバイス大会(III履修者+I履修者)
【持参物】全員:修正指導案(β版)+マンガ 指定部数印刷し持参(後日指示) |
9 ★ |
11/24 | I履修者のマイクロティーチング大会
【持参物】
【提出物】
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10 ★ |
12/1 | III履修者のマイクロティーチング大会 3〜 4人×2 ★15分のMT 【持参物】
【提出物】
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11 ※ |
12/8 | 経験をふまえたマイクロティーチング(I履修者)3〜4×2
【持参物】
【提出物】
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12 ★ |
12/15 | 経験をふまえたマイクロティーチング(I履修者)3×2
【持参物】
【提出物】
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13
※ |
12/22 | 経験をふまえたマイクロティーチング(I履修者)3×2
【持参物】
【提出物】
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14 | 1/12 | 教育実習における心構え/本授業のまとめ
【持参物】III履修者:発表用資料(パワーポイントなど) 【提出物】全員:授業評価アンケート |
【履修上の注意】
- 初回の授業に欠席した者は、履修を認めないので注意すること。やむを得ず欠席の場合は、必ず事前に担当講師に連絡し、フォローアップの機会をつくること。
- この授業の性質上、6時限目への延長は頻繁に起こるので、その時間に予定を入れないこと。
- 模擬授業やプレゼンテーションで必要になる学習指導案や教材の印刷は、自分の責任で行うこと。
- 4回以上欠席した者は、成績評価の対象としません(教授会で認められている試合出場による欠席、インフルエンザなどの感染症罹患、実習校との事前打ち合わせは原則としてカウントしませんが、許容範囲がありますので、あらかじめ初回の授業でコーディネータと相談すること。評価の公平性の観点から別クラスの受講をお願いすることがあります)。
- マイクロティーチングや発表順番を変更することが必要な場合、自分の責任で交渉・調整する。
- 実習や討論が中心の授業ですので、10分以上遅刻した場合には欠席として扱います。
- マイクロティーチングを実施しない場合は、単位を取得できません。(授業技能の評価ができないため、現場実習に出すことができません)。
- 「情報」の模擬授業や、授業支援のための教育システムの利用のため、場所を情報科学センターの端末室に変更することがあります。Renandiの授業サイト「お知らせ」に注意すること。
- 模擬授業にあたっては、必ず、学習指導案および教材を受講生分の部数を印刷して配布すること。
- この授業で取り組まれることの多くは、この3年間で行ってきている実験的な試みです。後輩のために、よりよい授業にしていきたいと思いますので、その評価のため、皆さんには、いくつかアンケートなどにご協力をお願いします。アンケートに関しては、皆さんの成績に関係することはありませんから、率直な意見を記入してください。
【成績評価の方法と基準】
- 授業での発表やマイクロティーチングに対するコメント(内容によって評価します):10点
- 授業でのプレゼンテーション:III履修者20点(各10点)
- III履修者:第2回or第3回、第14回
- 模擬授業関連:I履修者40点、III履修者30点
- 学習指導案(MTのある授業前に提出):10点(I履修者2回各5点、III履修者1回10点)
- マンガ+ワークシート(1)(2)(3):10点(きちんと取り組んでいれば10点の平常点)
- マイクロティーチング:I履修者2回各10点、III履修者1回10点
- 感想文、意見文、およびそれへの回答等:I履修者50点、III履修者40点(下記課題各Ⅰ−点)
- I履修者:第3回(先輩の発表を通じて学んだこと);自分のマイクロティーチングの振り返り(直後・コメントを受けて)×2回
- III履修者:第3回(質問への回答);自分のマイクロティーチングの振り返り(直後・コメントを受けて)×1回
- 全員共通:第4回(模擬授業と協議を通じて考えたこと);マイクロティーチングの感想文
- 欠席1回につき、5点の減点。
※教育実習生としてふさわしい行動がとれたことを単位付与の条件とします。
【教科書・参考書など】
専修大学 (編) 教育実習の手引き
小泉博明・宮崎猛(編)教育技術MOOK教育実習まるわかり 小学館、2007
文部科学省 (編) 高等学校学習指導要領解説 情報編 開隆堂出版、1999/2005
文部科学省 (編) 高等学校学習指導要領解説 数学編理数編 開隆堂出版、1999/2005
文部科学省 (編) 中学校学習指導要領解説 数学編 大阪書籍、1999/2004
各科目の教科書(実習校で利用しているものを、自分で取り寄せること)