【授業の目的】

教育実習は、教職課程を集大成する活動です。教育活動が営まれる現場に参加し、教育技術だけでなく、様々な学校教育活動に関わることで、職業人としての教師のあり方を実践的に学習していきます。ただし、実際の職場に参加し、ほんものの生徒たちを前に教育活動を行うわけですから、相応の準備と覚悟、そして実習で得た経験や知見を自ら昇華させていくことが不可欠です。

本授業の目的は、教育実習の事前・事後指導を通して、実習の成果をより着実なものにすることにあります。教育実習の事前指導では、実習学校を想定した模擬授業の実施と相互批評活動を通して、学習指導案や板書計画、教材等をより洗練するとともに、教育技術の着実な習得を目指します。また、現場実習に向けての心構えを再度確認します。

実習中および事後指導では、教授学習指導記録であるティーチングポートフォリオを作成する活動を行い、実習の成果を振り返ることを通じて、反省的実践家としての教師の視座を習得することを目指します。

【履修にあたって】

本授業の中核となるのは、実習校における現場実習です。現場実習は、学校という職場での仕事に従事することそのものです。その下準備とふりかえりを行うのが、この授業の役割です。

現場実習は、みなさんの母校や附属高校の先生方が、お忙しい時間を割いてくださり、皆さんの授業を指導したり、不慣れな皆さんが校務に少しでも携わることができるような環境を作ってくださっています。そうしたことを十分承知した上で、次のことを心得て履修してください。

  • 実習校での勤務や研究授業、観察などには、自分が希望する職業であるという心得を持って、真摯に取り組むこと(もしも「免許を取るだけ」の態度で臨むとすれば、実習校の先生には、一目瞭然ですし、失礼なことです。実習中は本気でこの職業に就くつもりで取り組むこと)。
  • 意見交換には主体的・積極的に取り組むこと。とくに、次のことに気をつけること。
    • 相手を批判するだけでなく、どう改善したらよいか、建設的な意見を述べること
    • 相手の問題だと思うことについては、忌憚なく指摘すること(真摯な議論をする)。
    • 相手の言うことには耳を傾け、自分のことについて見つめ直す心の広さを持つこと
      (自分の指導法に関して見つめ直し、修正していこうとする態度が不可欠です)

なお、模擬授業の時間に相当の時間を割く関係上、6〜7時限目を利用することがあります。出席必須ですので、時間を空けておいてください。

授業計画

日時 内 容
1 4/14 オリエンテーション

  • 履修者の自己紹介/履修希望票の記入/授業の進め方についての説明
2 4/21 教育実習における研究授業の実際

  • 教育実習における研究授業はどのように行われているのか、ビデオを視聴します。自分の研究授業のイメージをつくるとともに、どのような点に気をつけて観察すればよいかを検討します。

教育実習における心構え【少し延長するか、次回を少し延長するかもしれません】

  • 実習校における活動(研究授業以外のさまざまな活動)について再確認するとともに、注意するべき点について説明します。
3 4/28 学習指導案の相互発表と批評

  • 3〜4人1組のグループでお互いの指導案について説明をした後、相互評価コメント活動を行います。

【持参物】指導案第1版(中学45分・高校50分)・教科書のコピー 各5部
その他、授業で必要な教材
【配布物】相互発表・批評大会のガイド,授業SNSのガイダンスと練習課題
授業時間後、決起集会

5/5 (特別研修期間につき休み)
※ 授業SNSに練習課題を投稿する。
4 5/12 模擬授業(1)【場所:__________】(15分模擬授業+5分コメント)5時限目:_____さん,_____さん,_____さん;6時限目:_____さん,_____さん

【宿題】翌日曜日までに、SNS上に振り返りを投稿する

5 5/19 模擬授業(2)【場所:__________】(15分模擬授業+5分コメント)5時限目:_____さん,_____さん,_____さん;6時限目:_____さん,_____さん

【宿題】翌日曜日までに、SNS上に振り返りを投稿する

6 5/26 模擬授業(3)【場所:__________】(15分模擬授業+5分コメント)

5時限目:_____さん,_____さん,_____さん;6時限目:_____さん,_____さん

【宿題】翌日曜日までに、SNS上に振り返りを投稿する

7 6/2 模擬授業(4) 【場所:__________】(15分模擬授業+5分コメント)5時限目:_____さん,_____さん,_____さん;6時限目:_____さん,_____さん

【宿題】翌日曜日までに、SNS上に振り返りを投稿する

8 6/9 【現場実習】各自、以下の活動に取り組み、報告することで出席と見なします。

  • 実習校における勤務と、授業観察、研究授業、実習報告書の作成
  • 実習校での体験を授業SNS上で報告する日記を執筆するとともに、他者の日記を見て、コメントする活動を行う
9 6/16
10 6/23 ティーチングポートフォリオの作成【場所:964実習室】

  • あらかじめ指導案や実習記録を写しておき、それをもとにして、規定のフォーマットに従い、ティーチングポートフォリオを作成します。
11 6/30 【休講】→補講は、5/12,5/19,5/26、6/2の6時限目に実施
12 7/7 ティーチングポートフォリオの作成【場所:964実習室】

  • あらかじめ指導案や実習記録を写しておき、それをもとにして、規定のフォーマットに従い、ティーチングポートフォリオを作成します。
13 7/14 実習体験のふりかえり

  • 実習期間中に報告した実習体験や、研究授業のふりかえりをするディスカッションを行う。
  • 終了後、打ち上げ。

【提出物】授業評価アンケート

7/21 【提出物】ティーチングポートフォリオ&ふりかえりレポート
(提出場所:5号館研究室受付)

【履修上の注意】

  • 授業SNSは携帯電話またはパソコンを通してアクセスします。日々の新鮮な体験と感想を記録に残し、また他の人の体験をもとに話し合ったり相談したりすることは、短い実習中の体験を豊かなものにする上で大切な活動です。週に2回以上書き込みをすること。
  • 「情報」の模擬授業をする人もいますので、場所を情報科学センターの端末室(964教室)に変更することがあります。掲示板に注意すること。
  • ティーチングポートフォリオの作成は、教育実習Ⅲで3年生に発表することが前提です。
  • 授業SNSなどのいくつかの新しい教育支援ツールを導入しています。これをよりよい取り組みにしていきたいと思いますので、その評価のため、皆さんには、いくつか調査にご協力ください。

【提出課題】

  • 学習指導案(4/28)
  • 模擬授業の感想(5/12〜6/2、授業SNS上にて)
    • 相互評価コメントはこちらで提出(Renandiではありません)
  • 授業SNS上での実習報告・作業報告とコミュニケーション(5/5〜7/7)
  • ティーチングポートフォリオ(7/21)
  • 実習報告書(実習校の先生が評価してくださいます)

※評価対象は、これに加えて模擬授業と、それに対する相互評価コメントを含みます。

【成績評価の方法と基準】

※4回以上欠席した者は、成績評価の対象としません。

  • 実習校からの教育実習成績報告票、実習日誌の記述内容(80%)
  • ティーチングポートフォリオ(20%)
  • SNSでの貢献(+αで、最大15%)
  • 欠席1回につき10点減点、遅刻2回で欠席1回とみなします。

※教育実習生としてふさわしい行動がとれたことを単位付与の条件とします。

※教育実習IIは前期終了科目ですが、前期終了時に成績評価を行わず、後期・学年末終了時に成績評価を行います。

【教科書・参考書など】

専修大学 (編) 教育実習の手引き

文部科学省 (編) 高等学校学習指導要領解説 情報編 開隆堂出版、1999/2005

文部科学省 (編) 高等学校学習指導要領解説 数学編理数編 開隆堂出版、1999/2005

文部科学省 (編) 中学校学習指導要領解説 数学編 大阪書籍、1999/2004

各科目の教科書(実習校で利用しているものを、自分で取り寄せること)

宮崎 猛、小泉博明 (著) 教育実習まるわかり 小学館、2007