専門ゼミ・卒業研究ゼミ(早稲田大学人間科学部)

詳細は1期生となるメンバーと相談して具現化しますが、和気藹々とコラボレーションして取り組みたいと考えています。

【通年のプロジェクト研究】専門ゼミⅠ・Ⅱを通して、1年間にわたるグループ研究に取り組みます。コラボレーションや情報リテラシー・メディアリテラシー等に関わって、自分たちで1〜2テーマの問題解決したいことを定めて共同研究をします。自分たちでよいコラボレーションのあり方を見出し、実践するとともに、これまでに指定科目・推奨科目で学んだ知識や技能(教育工学研究法、参与観察法、アンケート調査法等)を活用して研究をします。この活動の中で、社会に出てからも必要なコラボレーションの技能と、研究に必要な技法を体験的に学びます。自分たちで新たな知識・技能・考え方の自学自習も必要です。成果は上級生の卒業研究発表会にゲスト参加したり、他大学との研究交流会で発表します。学会発表レベルの成果が目標です。
この活動は通常の授業時間以外に、週1コマ程度は自主的に対面orオンラインで集まる+授業外で数時間程度個々人で学習・研究を進めます(集まり方や時間はメンバーで決める)。ビジネスチャットツールで随時意思疎通をしつつ展開します。

【専門ゼミⅠ】履修者の関心に応じて、先行研究や研究領域を概観する文献(必要な英語の文献も含む)を輪読して、研究の型を学びつつ、個々人の問題関心を深めます。主に「学ぶことの科学」「協調学習と学習科学」「知覚・認知心理学」「日常記憶心理学」「情報メディア教育論」「ヒューマンコンピュータインタラクション」と関連します。

【専門ゼミⅡ】春学期の学習・研究成果や経験を踏まえて、先行研究(必要に応じて英語を含む)を読み、卒業論文の研究計画を立てます。学習科学では、学習プロセスの分析を重視しますので、そのための分析技法を学習します。先行研究を整理して、研究計画までを書いた卒業研究計画書を執筆して発表します。発表会は土曜日等ゼミの時間以外に行うことがあります。

【卒業研究ゼミ】専門ゼミで作成した卒業研究計画をもとに、例えば道具を制作する学生はものづくりを、何らかの活動をデザインする学生はその実践の試行を、学習過程の分析や調査をする学生はデータ収集を、春休みから少しずつ進めます。この過程では何度かお試しした後に本番のデータ収集を行うように指導します。実際のデータ収集は、できるだけ想定に近い対象に対して、実践的に行います。実験・調査等を行う場合のフィールド確保(研究協力者の募集など)は、担当教員への協力依頼を含め、学生が自ら主体的に行うことが前提です。遅くとも秋学期初頭までにデータを収集して分析し、その後卒業論文の執筆を行います。他者とコラボレーションしながら進めてよいですが、論文は個々人で執筆します。

卒業研究は、大学生・高校生が、コラボレーション(協調学習の調整や、議論・分業)の仕方や、情報リテラシー(フェイクニュースや矛盾する情報が多い、科学・健康・歴史に関する情報やデータを読み解くリテラシー)を学ぶこと,等といった対象を軸として、実証的研究を行うことを基本とします。自分で研究テーマを決めることを歓迎しますが、同時に、研究関心を先行研究の中に位置づけることを大切にします。関心のある学生には3年次から研究室の研究プロジェクトに関わる機会を提供しますので、積極的に関われば、研究の最先端に触れることができ、そこから自分なりに発展させることもできます。

卒業研究ゼミでは、毎週全員が進捗を簡単に報告した後に、2〜3名が毎週長めの報告をして議論します。必要に応じて、個別指導の時間をさらにとってアドバイスします。また、夏合宿や他大学の学生との研究会で、大学院生や他大学の学生と研究について発表・議論することを通じて研究の質を高めます。学会や研究会などに参加を推奨することがあります。

過年度の卒業研究の内容(専修大学ネットワーク情報学部時代のもの)は、こちらにあります。専修大学の時は一般的な教育・学習とテクノロジに関する内容を広く取り扱っていましたが、早稲田大学ではコラボレーションや情報リテラシーと学習に関連する内容を取り扱いたいと思っています。

開講時間帯

2025年度は、毎週火曜日4・5時限目を想定しています(専門ゼミのみ)。

2026年度は別の曜日に移動予定です(2時限目卒研ゼミ、3・4時限目専門ゼミ、5時限目大学院ゼミAの予定です)。

期待している学生像,選考基準

メンバーは多様なほうが望ましく、様々な得意技や背景をもちながらも、グループ学習などの場面を想定したコラボレーションや情報リテラシーに興味・関心のある人が集まると良いなと思っています。また、以下のようなこともイメージしていますが、あくまで期待像なので、全てを満たす必要はありません。苦手なことは少しずつ慣れて克服・成長しようとする(したいと考えている)人を歓迎します。

a) 大学4年間の集大成をがんばって残そうと思える人(卒業論文は99%の努力と1%の新規性)。

b) 人がコミュニケーション・コラボレーションを通じて成長することに関心を持っている人。コラボレーションを通した学習場面や情報リテラシー、学習科学に関連する内容に強い興味を持ち、問題意識をもっている人。

c) 興味のあることを学んだり、意見を求めたり、教育実践などを研究するために、大学の外に出て行ったり、大学の外の人に意見を求めたり、研究会に参加したり見学したり、積極的にしたいと思える人。

d) 必要であれば、学内の他の先生に積極的に助言を求めることができる人。なお、人間科学部の学際的な性質上、その逆(つまり、望月が担当教員でない学生)も積極的にアドバイスをしたいと考えていますが、その場合は進め方を相談の上決めたいと考えています。

e) 自分の意見を主張するだけでなく、他の人の話をよく聞き、自分自身を改善していこうと思える人。他人の成長に対して関心があり、そのために建設的な意見を出したり、相互貢献しようと思える人。

f) 授業の時間は、プロジェクト学習を行うとともに、学習や教育に関する基本的な考え方を十分に習得するため、研究相談(進捗報告+ディスカッション)以外に、必要な文献講読をします。本や文章(論文など)を読んだり、資料を集めて考えたりすることをいとわない人(いま苦手でも、これから乗り越えようとする人はOKです)。

h) もちろん、それなりの配慮はしますが、学業と就職活動の両立をしようと、自律的にがんばれる人。

成果物のビジョン

成果物としては、(開発・)評価・実験・調査にもとづく実証的研究を通して、卒業論文を執筆します。参考文献(Webをのぞく)は15本以上を基準とします。

他の大学の先生方にも発表の練習を聞いていただき、アドバイスをいただくことがあります。場合によっては、3月に専門ゼミのプロジェクト研究や、卒業論文の内容をまとめて、学会発表をすることがあります。

大学院ゼミ(早稲田大学大学院人間科学研究科)

大学院生は、まず、学部生のゼミに参加しながら基礎的な知識・基盤を身に付けたり、協調学習の支援に関して実践的なスキルを身に付けます。それに加えて、大学院生のみのゼミA(2025年度は、金曜日4時限目を予定)で学習科学研究に関する文献の購読を行い、大学院生として必要な専門領域に関する先端知識と、研究に関する重要な考え方を身に付けます。さらに、ゼミBでは、他大学の学生や研究者と合同で研究発表と相談・討議を行います(2025年度は、金曜日18:00〜20:00の予定)

研究領域は、コラボレーションと学習科学に関する内容を軸としています。担当教員が実施している研究プロジェクトに参加しながら研究の手法を学ぶとともに、個々人の研究を推進するかたちをとります。授業時間外に勉強会や研究会を実施したり、研究打ち合わせを行いながら、学術研究を実践的に進めていきます。